「広いルーフテラスと
　　間仕切りのない生活空間のある住宅」 30代夫婦と子供二人の個人住宅である。昔ながらの付き合いを大切にするこの地域では、住まいの開き方、隣接する住宅との距離の取り方、それら開いたり閉じたりする中での場所の使い方についての提案が必要とされた。
まずは1階の各室を個々のパーソナルスペースとし、テラスで関係づける。そして家族皆が生活する場を2階レベルに上げ、間仕切り壁をなくし視線が通るフリースペースとした。こうして隣地から遮られることのない南側からの採光と、1階において得られなかった奥行きのある外部空間をルーフテラスとして確保できた。
周辺の落ち着いた色合いと合わせた鋼板を閉鎖的な膜とする一方、内部の生活を垣間見る部分については木仕上げとし、地域内でのコミュニケーションにメリハリを持ちたいというクライアントの意向をファサードの表情により示した。